高齢者の癌で余命宣告。祖母の甲状腺癌と食道

私の祖母は93歳、昨年から病気を患っています。病名は甲状腺癌、首の左側に大人の拳ほどの腫瘍があります。

祖母はボケなど全くなく、今でも一人で生活しています。癌になる前までは、祖母はまだまだ長生きするし、いつかお別れの日は来るけどもきっと老衰で亡くなるんだろうなぁ、と漠然と思っていました。

そして癌だとわかった昨年以降も、「高齢者の癌はすすまないらしい」なんていうどこぞで聞いた話を何の根拠もなしに信じ、今日まで過ごしてきました。それが2週間前、突然の余命宣告をされたのです。

理由は腫瘍が想像以上の早さで大きくなっていて、今現在食道を押し潰しており、近いうちに気道さえも塞いでしまうというのです。祖母の食道の断面図がわかる画像を見せられ、「今はもう何も食べれないはずだ」と医師から説明がありました。

実はこの日病院に行く前、祖母と私の母と私の3人でお昼ご飯を食べたばかりだったのでその話を医師にすると、「信じられない」とのことでした。

腫瘍で塞がっている部分を過ぎればまた食道が広がっているらしいのですが、93歳の祖母がゴックンと飲み込む力で腫瘍で塞がれた食道を食べ物が通っていくことは画像で見る限り考えられないというのです。でも食べてきたことは事実ですし、少しずつとはいえ毎日食べて飲んで生活していることも事実です。

「本人の食べられる、と思う気持ちだけで食べ物が通っているんだと思います」、これが医師の話でした。余命宣告をされ別れの日がすぐそこまで来ている事実を悲しむより、私は驚くとともに、祖母の生きる力を見せつけられた気がして感動さえしました。

病は気から、なんて言いますが、これは本当なのかもしれません。祖母は癌と聞いた時も動じることなく治療はしないと決め、今が一番幸せだからいつ死んでもいいと言いました。そして、痛いのと苦しいのは嫌だからそれだけはないようにしてほしい、と自分の最期を決め、はっきりと意思表示をしてくれました。

そんな祖母だから、食べ物が通る時だけは腫瘍さえも道をあけてくれているんじゃないかな、なんて思ったりしてしまいます。食べることが大好きな祖母、私の母が作る料理が好きだと言ってくれる祖母、そんな祖母と同じものを一緒に食べられる限りある時間を大切にしていこうと思っています。
記事の投稿日:2017年9月12日

こんな記事もおすすめです